呼吸器機能障害、身体障害者手帳の認定基準のQ&A

      2017/07/27

全部で7つの質問に答えます。

身体障害者手帳の認定基準のQ&A・【呼吸器機能障害】

質問1.

一般的に身体障害認定基準に関する検査数値と活動能力の程度に差がある場合は、検査数値を優先して判定されることとなっていますが、この検査数値間においても、予測肺活量1秒率と動脈血O2分圧のレベルに不均衡がある場合は、どのように取り扱うのでしょうか?
また、診断書のCO2分圧やpH値に関しては、認定基準等では活用方法が示されていませんが、具体的にどのように活用するのでしょうか?

回答1.

換気機能障害を測るための予測肺活量1秒率と、ガス交換機能障害を測るための動脈血O2分圧との間には、相当程度の相関関係があるのが一般的です。しかしながらこのような数値的な食い違いが生じる場合もあり、こうした場合には、予測肺活量1秒率の方が動脈血O2分圧よりも誤差を生じやすいことにも配慮し、努力呼出曲線などの他のデータを活用したり、診断書のCO2分圧やpH値の数値も参考にしながら、医学的、総合的に判断することが適当です。

なお、等級判定上、活動能力の程度が重要であることは言うまでもないのですが、認定の客観性の確保のためには、各種の検査数値についても同様の重要性があることを理解してください。

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質問2.

原発性肺高血圧症により在宅酸素療法を要する場合、常時の人工呼吸器の使用の有無にかかわらず、活動能力の程度等により呼吸器機能障害として身体障害認定してよいでしょうか?

回答2.

原発性肺高血圧症や肺血栓塞栓症などの場合でも、常時人工呼吸器の使用を必要とするものであれば、呼吸器機能障害として認められますが、在宅酸素療法の実施の事実や、活動能力の程度のみをもって認定することは適当ではありません。

質問3.

肝硬変を原疾患とする肺シャントにより、動脈血O2分圧等の検査値が認定基準を満たす場合は、二次的とはいえ呼吸器機能に明らかな障害があると考えられるため、呼吸器機能障害として身体障害認定できるでしょうか?

回答3.

肺血栓塞栓症や肺シャントなどの肺の血流障害に関しては、肺機能の障害が明確であり、機能障害の永続性が医学的、客観的所見をもって証明でき、かつ、身体障害認定基準を満たすものであれば、一次疾患が肺外にある場合でも、呼吸器機能障害として認定することが適当です。

質問4.

重度の珪肺症等により、心臓にも機能障害(肺性心)を呈している場合、呼吸器機能障害と心臓機能障害のそれぞれが認定基準に該当する場合、次のどの方法で認定するべきでしょうか?
(1)それぞれの障害の合計指数により、重複認定する。
(2)一連の障害とも考えられるため、より重度の方の障害をもって認定する。

回答4.

肺性心は、肺の障害によって右心に負担がかかることで、心臓に二次的障害が生じるものであり、心臓機能にも呼吸器機能にも障害を生じます。
しかし、そのために生じた日常生活の制限の原因を「心臓機能障害」と「呼吸器機能障害」とに分けて、それぞれの障害程度を評価し、指数合算して認定することは不可能であるため、原則的には(2)の方法によって判定することが適当です。

このような場合、臨床所見、検査数値などがより障害の程度を反映すると考えられる方の障害(「心臓機能障害」又は「呼吸器機能障害」)用の診断書を用い、他方の障害については、「総合所見」及び「その他の参考となる合併症状」の中に、症状や検査数値などを記載し、日常の生活活動の制限の程度などから総合的に身体障害者手帳の等級判定をすることが適当です。

質問5.

呼吸器機能障害において、原発性肺胞低換気症候群によって、夜間は低酸素血症がおこり、著しく睡眠が妨げられる状態のものはどのように身体障害認定するのでしょうか?

回答5.

これらの中枢性の呼吸機能障害は、呼吸筋や横隔膜などのいわゆる呼吸器そのものの障害による呼吸器機能障害ではありませんが、そうした機能の停止等による低酸素血症が発生します。しかし、低酸素血症が夜間のみに限定される場合は、常時の永続的な低肺機能とは言えず、呼吸器機能障害として認定することは適当ではありません。

一方、認定基準に合致する低肺機能の状態が、1日の大半を占める場合には認定可能であり、特に人工呼吸器の常時の使用が必要な場合は、身体障害者手帳1級として認定することが適当です。

質問6.

中枢型睡眠時無呼吸症候群などの低換気症候群により、睡眠時は高炭酸ガス血症(低換気)となるため、人工呼吸器の使用が不可欠の場合はどのように身体障害認定するのでしょうか?

回答6.

回答5と同様に、認定基準に合致する低肺機能の状態が、夜間のみに限定される場合は、常時の永続的な低肺機能とは言えず、呼吸器機能障害として認定することは適当ではありません。
一方、認定基準に合致する低肺機能の状態が、1日の大半を占める場合には認定可能であり、特に人工呼吸器の常時の使用が必要な場合は、身体障害者手帳1級として認定することが適当です。

質問7.

動脈血O2分圧等の検査数値の診断書記入に際して、酸素療法を実施している者の場合は、どの時点での測定値を用いるべきでしょうか?

回答7.

身体障害認定基準に示された数値は、安静時、通常の室内空気吸入時のものです。したがって診断書に記入するのは、この状況下での数値ですが、等級判定上必要と考えられる場合は、さらに酸素吸入時あるいは運動直後の値などを参考値として追記することは適当と考えられます。

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