身体障害者手帳の認定Q&A

肝臓機能障害、身体障害者手帳の認定基準のQ&A

全部で12の質問に答えます。

身体障害者手帳の認定基準のQ&A・【肝臓機能障害】

質問1.

障害となった原因を問わず、身体障害認定基準に該当する場合は認定してよいのでしょうか?

回答1.

お酒の場合は、180日以上断酒して判断します。

肝炎ウイルスに起因するもの以外であっても、肝臓機能障害として認定します。
ただし、アルコールを継続的に摂取することにより障害が生じている場合や悪化している場合は、その摂取を止めれば改善が見込まれることもあるため、一定期間(180日以上)断酒し、その影響を排除した状況における診断・検査結果に基づき身体障害認定することを条件とします。

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質問2.

すでに肝臓移植を受け、現在抗免疫療法を継続している者が、更生医療の適用の目的から新規に肝臓機能障害として身体障害者手帳の申請をした場合、申請時点での抗免疫療法の実施状況をもって認定してよいでしょうか?

肝臓移植を行い、抗免疫療法を継続している場合の、手帳認定方法です。

回答2.

肝臓移植を行ったものは、抗免疫療法の継続を要する期間は、これを実施しないと再び肝臓機能の廃絶の危険性があるため、抗免疫療法を実施しないと仮定した状態を想定し、身体障害者手帳1級として認定することが適当です。

質問3.

肝臓機能障害で認定を受けていたものが、肝臓移植によって認定している等級の基準に該当しなくなった場合、身体障害者手帳の返還あるいは再認定等が必要となるのでしょうか?

肝臓移植による再認定についてです。

回答3.

移植後の抗免疫療法を継続実施している間は身体障害者手帳1級として認定することが規定されており、身体障害者手帳の返還や等級を下げるための再認定は要しないものと考えられます。
ただし、抗免疫療法を要しなくなった後、改めて身体障害認定基準に該当する等級で再認定することは考えられます。

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質問4.

Child-Pugh分類による合計点数と3点項目の有無は、第1回と第2回の両方の診断・検査結果が身体障害認定基準に該当している必要があるのでしょうか?

回答4.

両方の診断・検査結果が該当することが必要です。

第1回と第2回の両方の診断・検査において身体障害認定基準に該当していることが必要です。

質問5.

肝性脳症や腹水は、どの時点の状態によって診断するのでしょうか?

肝性脳症や腹水の手帳認定方法です。

回答5.

肝性脳症や腹水は、治療による改善が一時的に見られることがありますが、再燃することも多いため、診断時において慢性化してみられる症状を評価します。

質問6.

腹水の評価において、体重が概ね40kg以下の者の基準を別途定めている趣旨は何でしょか?
また、薬剤によるコントロール可能なものとはどういう状態を意味するのでしょうか?

腹水の評価方法についてです。

回答6.

超音波検査等の検査技術の確立を踏まえ、腹水量の評価は、その容量を原則的な基準として定めていますが、小児等の体格が小さい者については、一定の容量によって重症度を評価することが困難であることに配慮したものです。
また、薬剤によるコントロールが可能なものとは、利尿剤等の薬剤により、腹水による腹部膨満や呼吸困難等の症状が持続的に軽減可能な状態を意味します。

質問7.

アルコールを180日以上摂取していないことの確認は、アルコール性肝障害以外についても行うのでしょうか?

回答7.

はい、他の症状でも180日以上断酒の確認を行います。

アルコールは、アルコール性肝障害以外であっても悪化要因となることから、180日以上摂取していないことの確認はアルコール性肝障害に限定しません。

質問8.

180日以上アルコールを摂取していないことについて、どのように判断するのでしょうか?

回答8.

病状の推移及び患者の申告から医師が判断します。

例として、アルコール摂取に関連する検査数値(γ-GTP値等)や症状の変化、診察時の所見(顔面紅潮、アルコール臭等)等を勘案します。
入院等医学的管理下において断酒することにより症状が改善する場合等は、断酒があったものと判断します。

質問9.

積極的治療を実施とは、どのようなことから判断するのでしょうか?

回答9.

医師の指示に基づき、受診や服薬、生活上の管理を適切に行っているかどうかで判断します。

質問10.

現在のB型肝炎又はC型肝炎ウイルスの持続的感染の確認については、180日以上の間隔をおいた検査を2回実施しなければならないのでしょうか?

B型・C型肝炎ウイルスの持続的感染の確認方法です。

回答10.

現在の症状が肝炎ウイルスに起因すると診断されている場合は、すでにウイルスの持続的な感染が確認されているため、直近の1回の検査によって確認されれば現在の持続的感染と判断してかまいません。

質問11.

現在のB型肝炎又はC型肝炎ウイルスの持続的感染の確認とありますが、他の型のウイルスの感染は対象とはしないのでしょうか?

回答11.

B型肝炎とC型肝炎のみを対象としています。

現在確認されている肝炎ウイルスのうち、A型肝炎及びE型肝炎は症状が慢性化することは基本的になく、またD型肝炎ウイルスについてはB型肝炎ウイルスの感染下においてのみ感染するため、B型肝炎とC型肝炎のみを対象としています。
今後新たな肝炎ウイルスが確認された場合は、その都度検討します。

質問12.

強い倦怠感、易疲労感、嘔吐、嘔気、有痛性筋けいれんあるいは「1日1時間以上」「月7日以上」等は、どのように考えるのでしょうか?

回答12.

診療記録等で正確に確認できることが条件です。

外来診察時又は入院回診時、自宅での療養時等において、そのような症状があったことが診療記録等に正確に記載されており、これにより当該項目について確認できるということを想定しています。
そのためにも、平素からこれらの症状について、継続的に記録を取っておくことが必要です。

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