身体障害者手帳の認定要領

HIVによる免疫機能障害の身体障害者手帳認定要領

具体的な医師の診断書の作成方法は「認定要領」で手続きが行われます。

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手帳申請の診断書、様式その1「総括表」

HIVによる免疫機能障害の診断書の様式、総括表です。

f1201

f1101

診断書の様式、法令で規定されています。

手帳の申請には、法令で規定された様式の診断書を、指定医師が作成し添付します。

身体障害者手帳は、障害程度等級表や認定基準によって、認定の手続きが行われます。

身体障害者手帳の申請には、医師の診断書と意見書を添付することが、身体障害者福祉法第15条で規定されています。
この診断書と意見書は、都道府県知事から指定された医師だけが作成することができます。

診断書とは、障害の診断内容を書いたもので、意見書とは、どの等級に該当するかの意見を書いたのものです。
知事が指定する医師は、身体障害者福祉法の第15条第1項、身体障害者福祉法施行令の第3条で、規定されています。

診断書と意見書は、身体障害者福祉法施行規則の第2条で規定された様式を使用します。

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認定要領、診断書「総括表」について

HIVによる免疫機能障害の総括表の認定要領です。

身体障害者診断書においては、HIV感染により永続的に免疫の機能の著しい低下のある状態について、その障害程度を認定するために必要な事項を記載します。
診断書は障害認定の正確を期するため、「13歳以上用」「13歳未満用」とに区分して作成します。併せて障害程度の認定に関する意見を付けます。

「総括表」について

ア「障害名」について
 「免疫機能障害」と記載します。

イ「原因となった疾病・外傷名」について
 原因疾患名は「HIV感染」と書きます。
 障害発生年月日は、ヒト免疫不全ウイルスヘの感染が確認された日時を原則とします。不詳の場合は、「参考となる経過・現症」欄にその理由を記載します。

ウ「参考となる経過・現症」について
 障害認定の上で参考となる事項があれば摘記します。個人の秘密に関わる事項を記載する場合には、障害認定に不可欠な内容に限定すること。
 障害固定又は障害確定(推定)年月日は、HIV感染が確認され、検査結果や所見等が身体障害認定基準を満たすに至った日とします。この場合、「身体障害認定基準を満たした日」とは、検査結果が判明した日ではなく、検査実施の日と考えてよいです。

エ「総合所見」について
 経過及び現症からみて障害認定に必要な事項を摘記します。治療の経過により障害程度に変化の予測される場合は、将来再認定の時期等を記載します。

手帳申請の診断書、様式その2「障害の状況及び所見」

HIVによる免疫機能障害の診断書の様式、障害の状況及び所見です。

13歳以上の場合

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f1203

f1204

13歳未満の場合

f1102

f1103

f1104

認定要領、診断書「障害の状況及び所見」について

HIVによる免疫機能障害の状況及び所見の認定要領です。

HIV感染の確認方法は、認定対象者が13歳以上と13歳未満で異なるため、診断書は「13歳以上用」と「13歳未満用」とに区分して作成します。

13歳以上の場合

(ア) ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の確認方法
「サーベイランスのためのHIV感染症/AIDS診断基準」(厚生省エイズ動向委員会、1999)を準用します。具体的には、HIVの抗体スクリーニング検査法(酵素抗体法(ELISA)、粒子凝集法(PA)、免疫クロマトグラフィー法(IC)等)の結果が陽性であって、以下のいずれかが陽性の場合にHIV感染症と診断します。
・抗体確認検査(Western Blot法、蛍光抗体法(IFA)等)
・HIV抗原検査、ウイルス分離及び核酸診断法(PCR等)等の病原体に関する検査

(イ) CD4陽性Tリンパ球数の測定
4週以上の間隔をおいた連続する2回の検査値の平均値のこれまでの最低値とします。

(ウ) 白血球数、Hb量、血小板数、ヒト免疫不全ウイルス―RNA量の測定における、4週以上の間隔をおいた連続する2回の検査の時期は、互いに一致している必要はなく、これまでの最低値とします。

(エ) エイズ発症の診断基準
エイズ発症の診断は、「サーベイランスのためのHIV感染症/AIDS診断基準」(厚生省エイズ動向委員会、1999)によります。

(オ) エイズ合併症
「サーベイランスのためのHIV感染症/AIDS診断基準」(厚生省エイズ動向委員会、1999)が採択した指標疾患としてあげられている合併症を意味します。

(カ) 期間・回数・症状等の確認
7日等の期間、1日3回等の回数、10%等の数値、下痢・嘔気・嘔吐・発熱の症状の確認は、カルテにもとづく医師の判断によるものとします。

(キ) 日・週・月の取扱い
特別の断りがない限り以下によるものとします。
1日:0時から翌日の0時前まで(以下同じ)を意味します。
1週:連続する7日を意味します。
1月:連続する30日を意味します。暦月ではありません。

(ク) 回復不能なエイズ合併症
エイズ合併症が回復不能に陥った場合をいい、回復不能の判定は医師の判断によります。

(ケ) 日中
就寝時以外を意味します。

(コ) 月に7日以上
連続する30日の間に7日以上(連続していなくてもかまわない)を意味します。

(サ) 日常生活上の制限
生鮮食料品の摂取制限以外に、生水の摂取禁止、脂質の摂取制限、長期にわたる密な治療、厳密な服薬管理、人混みの回避が含まれます。

(シ) 軽作業
デスクワーク程度の作業を意味します。

13歳未満の場合

(ア) 小児のヒト免疫不全ウイルス感染の確認方法
13歳未満の小児のHIV感染の証明は、原則として13歳以上の場合に準じます。ただし、周産期に母親がHIVに感染していたと考えられる生後18か月未満の小児については、HIVの抗体スクリーニング検査が陽性であり、さらに次のいずれかに該当する場合においてヒト免疫不全ウイルス感染とします。
・抗原検査、ウイルス分離、PCR法等の病原検査法のいずれかにおいて、ウイルスまたは抗原が証明される場合
・血清免疫グロブリン値、全リンパ球数、CD4陽性Tリンパ球数、CD4陽性Tリンパ球の全リンパ球に対する割合、CD8陽性Tリンパ球数、CD4/CD8比等の免疫学的検査所見を総合的に判断し免疫機能が著しく低下しており、かつHIV感染以外にその原因が認められない場合

(イ) 年齢区分毎の免疫学的分類
当該小児の免疫機能を評価するには、CD4陽性Tリンパ球数又はCD4陽性Tリンパ球の全リンパ球に対する割合を用いるものとし、双方の評価が分類を異にする場合には重篤な分類により評価すること。

(ウ) 小児のHIV感染の臨床症状
身体障害認定基準(2)のイの(ア)の臨床症状については、その所見や疾患の有無、反復性について判定すること。

認定要領、「障害程度の認定」について

障害程度の認定要領です。

(1) 免疫の機能の障害の認定は、ヒト免疫不全ウイルス感染に由来するものであり、認定の考え方に関して他の内部障害と異なる場合があるので留意すること。

(2) 急性期の病状で障害の程度を評価するのでなく、急性期を脱し、症状が落ちついた時点での免疫機能を評価することが、より正確に免疫の機能の障害を評価できるものと考えられます。

(3) 患者の訴えが重視される所見項目があるので、診察に際しては、感染者の主訴や症候等の診療録への記載に努めること。

(4) ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害においては、認定に際し、感染の事由により、認定の対象から除外されることはないので、認定に際し了知すること。

(5) 身体障害認定基準を満たす検査結果を得るため、必要な治療の時期を遅らせる等のことは、本認定制度の趣旨に合致しないことであり、厳に慎んでください。

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