身体障害者手帳と手当・補助金

特別児童扶養手当と身体障害者手帳、支給対象者の5つの条件

20歳未満の身体障害児の父母などに、特別児童扶養手当が支給されます。

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制度の概要、特別児童扶養手当

身体障害者手帳とは別の制度です。忘れずに申請してください。

特別児童扶養手当は、20歳未満の身体障害者の保護者に支給される給付金です。

  • 20歳未満の障害児の父母などに支給される。
  • 手当には、1級と2級の等級がある。
  • 重度障害が1級で、中度障害が2級です。
  • 手帳の審査とは別に、障害の程度の審査がある。

この特別児童扶養手当の制度は、身体障害者手帳の制度とは、別の制度です。

身体障害者手帳を持っていても、この特別児童扶養手当は、別に申請しないともらえません。
支給認定でも、特別児童扶養手当の基準で独自に、障害の程度の審査があります。

支給額・支給方法、特別児童扶養手当

等級によって、支給額が決まっています。

  • 1級、月額51,450円
  • 2級、月額34,270円

支給額は、1級は月額で約5万1千円、年間では約61万円。
また、2級では月額で約3万4千円、年間では約41万円です。

支給方法は、指定した銀行口座への振込で、毎年4月・8月・11月の年3回、4ヶ月分をまとめて振り込んでもらえます。

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対象者の5つの条件、特別児童扶養手当

これが支給の条件です。

  • 1、20歳未満の障害児を養育する父母など
  • 2、障害の程度が一定以上
  • 3、在宅で養育される障害児
  • 4、障害年金が支給されていない。
  • 5、保護者には所得制限あり

条件1、年齢が20歳未満

1つ目の条件は、障害児の年齢が20歳未満であることです。

特別児童扶養手当がもらえるのは、障害児本人が20歳までです。
障害児本人が20歳になったら、この手当は終了します。
著しく重度の障害の場合は、20歳以降になると「特別障害者手当」が支給されます。

そして、この手当は、「障害児の保護者」が支給対象者です。
父と母のうち、どちらが手当の受給対象者になるかは、主に障害児の生計を維持している方とします。

また、父母以外が養育している場合は、その養育している保護者が手当の受給対象者になります。

条件2、障害の程度が、重度・中度

2つ目の条件は、障害の程度が、重度・中度以上であることです。

特別児童扶養手当は、障害の程度が一定以上が条件です。
身体障害者手帳を持つ障害者の、全員が対象ではありません。

身体障害者手帳では、1級と2級が重度の障害者、3級から4級が中度の障害者です。
特別児童扶養手当では、1級が重度の障害者、2級が中度の障害者です。

  • 重度≒「手帳1級・2級」≒「手当1級」
  • 中度≒「手帳3級・4級」≒「手当2級」

手帳の重度中度の区分と、手当の重度中度の区分とは、完全には一致しません。
手当の等級と、手帳の等級は、「イコール=」じゃなく、「ニアイコール≒」です。

身体障害者手帳の等級が、3級以下でも、手当の等級が重度1級の場合もあります。
手帳では軽度の障害でも、手当は中度2級の場合もあります。

詳しい手当の1級と2級の障害の程度の目安は、「障害程度基準表」で決められています。

条件3、在宅での養育

障害児を家庭で養育していることが、3つ目の条件です。

障害児が、児童福祉施設などに入所している場合は、特別児童扶養手当は支給されません。
ただし、デイサービスのような、昼間に施設に通うだけなら、在宅扱いになります。

また細かい条件になりますが、障害児の住所が日本国内にない場合は支給されません。

条件4、障害年金が支給されていない。

障害年金をもらうと、特別児童扶養手当の対象外になります。

この他にも、まれなケースですが、20歳未満でも、公的な障害年金の受給資格が得られる場合があります。

障害基礎年金は、20歳以上が支給対象なので、20歳未満の障害児には、年金は支給されません。

しかし、障害厚生年金は、20歳未満の障害児にも支給される場合があります。
中学や高校を卒業後に、20歳以前に就職して、厚生年金加入中に障害になった場合には、20歳未満でも障害厚生年金の受給資格があります。
障害厚生年金をもらっている場合は、特別児童扶養手当は、支給されません。

また、障害児本人が遺族年金を受給している場合も、特別児童扶養手当は支給されません。

条件5、保護者には所得制限がある。

保護者の収入が多いと、手当は支給されません。

特別児童扶養手当には、受給対象者である、父母などの障害児の保護者の、所得制限があります。

障害者の保護者の収入が多い場合には、特別児童扶養手当は支給されません。

障害児1人だけを扶養している保護者の場合は、収入が680万円程度が、所得制限の目安です。
扶養する家族の人数が多ければ、所得制限の金額は、緩和されます。

実際の所得制限の詳細な金額は、住民税の計算方法と同じように、収入から各種控除を差し引いた所得金額で判断します。
市役所などで、所得証明書を発行してもらえば計算できるので、手当を申請するときに確認してもらいましょう。

手続方法、特別児童扶養手当

身体障害者手帳と同じ、市役所の窓口で申請できます。

特別児童扶養手当は、市区町村の障害者福祉担当の窓口に申請します。
この特別児童扶養手当の制度は、国の制度ですが、申請手続きは市区町村が行います。

申請手続きを行うと、障害の程度を判定するため、専門医の診断を受けます。
その専門医の診断結果をもとに、都道府県知事の認定を受け、手当の支給が決定されます。

手当の支給が決まると、役所から「証書」が交付されます。

障害児福祉手当と同時受給が可能、特別児童扶養手当

特別児童扶養手当は、障害児福祉手当と同時に受給できます。

「障害児福祉手当」は、20歳未満の重度障害児に支給される給付金です。

特別児童扶養手当も、障害児福祉手当も、同じ法律に基づいて支給される手当です。

しかし、障害児の保護者が支給対象者の「特別児童扶養手当」と、障害児本人が支給対象者の「障害児福祉手当」は、それぞれ別の制度です。

また、2つの手当では、重度の障害の認定基準も違いがあり、障害児福祉手当の方が厳しい認定基準となっています。

重度の障害の場合は、どちらも忘れずに申請しましょう。

障害程度基準表、特別児童扶養手当

特別児童扶養手当の障害の等級は、この障害程度の基準表を目安に決められます。

  • 1級の対象者は、重度の身体障害児
  • 2級の対象者は、中度の身体障害児

特別児童扶養手当の、障害程度の基準表は、「特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令」別表第三で規定されています。

級別

障害の程度

1級

  1. 両眼の視力の和が0.04以下のもの
  2. 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
  3. 両上肢の機能に著しい障害を有するもの
  4. 両上肢すべての指を欠くもの
  5. 両上肢すべての指の機能に著しい障害を有するもの
  6. 両下肢の機能に著しい障害を有するもの
  7. 両下肢を足関節以上で欠くもの
  8. 体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることができない程度の障害を有するもの
  9. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
  10. 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
  11. 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの

2級

  1. 両眼の視力の和が0.08以下のもの
  2. 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
  3. 平衡機能に著しい障害を有するもの
  4. そしゃくの機能を欠くもの
  5. 音声又は言語機能に著しい障害を有するもの
  6. 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの
  7. 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの
  8. 一上肢の機能に著しい障害を有するもの
  9. 一上肢のすべての指を欠くもの
  10. 一上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
  11. 両下肢のすべての指を欠くもの
  12. 一下肢の機能に著しい障害を有するもの
  13. 一下肢を足関節以上で欠くもの
  14. 体幹機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
  15. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
  16. 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
  17. 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの

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