具体的な医師の診断書の作成方法は「認定要領」で手続きが行われます。
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身体障害者手帳の認定要領、ぼうこう・直腸機能障害
- 手帳申請の診断書、様式その1「総括表」
- 認定要領、診断書「総括表」について
- 手帳申請の診断書、様式その2「障害の状況及び所見」
- 認定要領、診断書「障害の状況及び所見」について
- 認定要領、「障害程度の認定」について
手帳申請の診断書、様式その1「総括表」
ぼうこう・直腸機能障害の診断書の様式、総括表です。
診断書の様式、法令で規定されています。
手帳の申請には、法令で規定された様式の診断書を、指定医師が作成し添付します。
身体障害者手帳は、障害程度等級表や認定基準によって、認定の手続きが行われます。
身体障害者手帳の申請には、医師の診断書と意見書を添付することが、身体障害者福祉法第15条で規定されています。
この診断書と意見書は、都道府県知事から指定された医師だけが作成することができます。
診断書とは、障害の診断内容を書いたもので、意見書とは、どの等級に該当するかの意見を書いたのものです。
知事が指定する医師は、身体障害者福祉法の第15条第1項、身体障害者福祉法施行令の第3条で、規定されています。
診断書と意見書は、身体障害者福祉法施行規則の第2条で規定された様式を使用します。
認定要領、診断書「総括表」について
ぼうこう・直腸機能障害の総括表の認定要領です。
身体障害者診断書においては、ぼうこう機能障害の場合は、
- ①「尿路変向(更)のストマ」を造設しているか、
- ②「ストマにおける排尿処理が著しく困難な状態」があるか、
- ③「高度の排尿機能障害」があるか、
等の諸点について判定します。
直腸機能障害の場合は、
- ①「腸管のストマ」を造設しているか、
- ②「ストマにおける排便処理が著しく困難な状態」があるか、
- ③「治癒困難な腸瘻」があるか、
- ④「腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状態」があるか、
- ⑤「高度の排便機能障害」があるか、
等の諸点について判定することを主目的とします。
記載すべき事項は、障害名、その原因となった疾患、手術、日常生活における制限の状態、障害の認定に関する意見、具体的所見です。
「総括表」について
ア「障害名」について
「ぼうこう機能障害」「直腸機能障害」と記載します。ただし、この障害名だけでは障害の状態が具体的ではないので、「ぼうこう機能障害(ぼうこう全摘、回腸導管)」「ぼうこう機能障害(尿管皮膚瘻)」「ぼうこう機能障害(高度の排尿機能障害)」「直腸機能障害(人工肛門)」「直腸機能障害(治癒困難な腸瘻)」「直腸機能障害(高度の排便機能障害)」等と記載します。
イ「原因となった疾病・外傷名」について
「ぼうこう腫瘍」「クローン病」「潰瘍性大腸炎」「直腸腫瘍」「二分脊椎」「先天性鎖肛」等、原因となった疾病名等を記載します。
ウ「参考となる経過・現症」について
経過については通常のカルテの記載と同様であるが、現症については身体障害者診断書の現症欄であるので、ぼうこう機能障害の状態(尿路変向(更)の状態あるいは高度の排尿機能障害の状態等)、直腸機能障害の状態(腸管のストマの状態あるいは高度の排便機能障害の状態等)と、そのために日常生活活動がどのように制限されているのかを記載します。
エ「総合所見」について
認定に必要な事項、すなわち尿路変向(更)の種類、腸管のストマの種類、高度な排尿又は排便機能障害の有無、治癒困難な腸瘻の種類、その他軽快の見込みのないストマや腸瘻等の周辺の皮膚の著しいびらんの有無、又は日常生活活動の制限の状態等を記載します。
なお、症状の変動が予測される場合は、将来の再認定時期についてもその目処を記載します。
手帳申請の診断書、様式その2「障害の状況及び所見」
ぼうこう・直腸機能障害の診断書の様式、障害の状況及び所見です。
認定要領、診断書「障害の状況及び所見」について
ぼうこう・直腸機能障害の状況及び所見の認定要領です。
ア「1.ぼうこう機能障害」について
「ぼうこう機能障害」については、尿路変向(更)のストマがあるか、あるいは神経因性ぼうこうによる高度の排尿機能障害があるか等について判定します。
尿路変向(更)のストマについては、種類と術式について記載するとともに、ストマにおける排尿処理が著しく困難な状態がある場合は、その詳細について診断書の項目にそって記載します。また、ストマの部位やびらんの大きさ等については、詳細に図示します。
高度の排尿機能障害については、神経障害の原因等について診断書の項目にそって記載するとともに、カテーテル留置や自己導尿の常時施行の有無等の状態・対応についても記載します。
イ「2.直腸機能障害」について
「直腸機能障害」については、腸管のストマがあるか、あるいは治癒困難な腸瘻があるか、あるいは高度の排便機能障害があるかについて判定します。
腸管のストマについては、種類と術式について記載するとともに、ストマにおける排便処理が著しく困難な状態がある場合は、その詳細について診断書の項目にそって記載します。また、ストマの部位やびらんの大きさ等については、詳細に図示します。
治癒困難な腸瘻については、原疾患と瘻孔の数について記載するとともに、腸瘻における腸内容の排泄処理が著しく困難な状態がある場合は、その詳細について診断書の項目にそって記載します。また、腸瘻の部位や大きさ等については、詳細に図示します。
高度の排便機能障害については、原疾患等を診断書の項目にそって記載するとともに、完全便失禁や用手摘便等の施行の有無等の状態・対応についても記載します。
ウ「3.障害程度の等級」について
ここでは、1ぼうこう機能障害、2直腸機能障害における診断内容が、1級から4級のいずれの項目に該当するかについて、最終的な判定をすることを目的とします。
該当する等級の根拠となる項目について、1つだけ選択することとなります。
認定要領、「障害程度の認定」について
障害程度の認定要領です。
(1) ぼうこう機能障害のみの等級について
ぼうこう機能障害単独であっても、「尿路変向(更)のストマ」や「ストマにおける排尿処理が著しく困難な状態」あるいは「高度の排尿機能障害」の合併状況によって、障害程度は3級から4級に区分されるので、身体障害認定基準に照らして的確に確認すること。
なお、ぼうこうが残っていても、尿路変向(更)例は認定の対象とします。
(2) 直腸機能障害のみの等級について
直腸機能障害単独であっても、「腸管のストマ」や「治癒困難な腸瘻」あるいはこれらの「排便処理の著しく困難な状態」又は「腸内容の排泄処理が著しく困難な状態」、さらには「高度の排尿・排便機能障害」の合併によって、障害程度は1級、3級、4級に区分されるので、身体障害認定基準に照らして的確に認定すること。
(3) ぼうこう機能障害と直腸機能障害が合併する場合について
ぼうこう機能障害と直腸機能障害とが合併する場合は、それぞれの障害におけるストマや腸瘻の有無、さらにはこれらの「排尿・排便又は排泄処理が著しく困難な状態」等によっても等級が1級あるいは3級に区分されるため、身体障害認定基準に照らして的確に認定すること。
(4) 障害認定の時期は、ストマ造設の有無や、排尿・排便処理が著しく困難な状態の有無、あるいは先天性であるかどうかなどの状態によって認定の時期が異なるため、身体障害認定基準に基づいて的確に認定します。また、適宜再認定を行うことが必要となるものもあり、この点についても十分に留意すること。
(5) 合算して等級があがる例について
合併する肢体不自由等の項で障害認定を受けているものは、両者を合算して等級があがる場合があるので両者の関係で留意すること。
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