身体障害児と高校進学
身体障害児にとって、義務教育が終わり、高校への進学は、進路に悩む時期です。
身体障害があると、通学や設備の問題があるので、進学する高校の選択肢が限られてしまいます。
小学校と中学校は義務教育なので、各種支援やサポートも充実しています。
高校では、義務教育が終わるので、各種支援やサポートも少なくなってきます。
- 1、一般の高校
- 2、特別支援学校の高等部
- 3、通信制高校
通常は、身体障害児の場合、この3つの学校の、どれかを検討します。
一般の高校の問題点
身体障害児が一般の高校に通うと、いろんな問題があります。
通学の問題
身体障害者が一般の高校に通う場合、まずは、通学の問題があります。
肢体不自由では、遠距離の通学はできません。
もちろん、一般の高校では、障害者向けのスクールバスなどもありません。
特に地方都市に住んでいる場合は、高校の数自体が少ないので、自分にあった高校が、自宅から通える距離にあるとは限りません。
通学で疲れ果てたら、本来の学校での勉強で、能力を発揮できなくなります。
学校設備の問題
一般の高校では、障害者対応の校舎ではない。
一般の高校では、学校の校舎がに障害者対応の設備がありません。
仮にあったとしても、バリアフリー設備は、1階の一部だけしか対応してないなど、十分な設備が揃っていません。
授業を受ける教室の、黒板や座席配置、先生たちの授業の進め方なども、全てが障害者対応にはなっていないのです。
いじめや人間関係の問題
障害がない子たちとの、人間関係が難しい。
当たり前ですが、一般の高校では、ほとんどの生徒には、障害がありません。
その中で、障害を持ちながら、高校生活を送ると、周囲の子たちに馴染めず、人間関係に苦労します。
いじめ、仲間はずれなど、人間関係のトラブルで、せっかく入学した高校を辞めてしまう障害児も多くいます。
負担が少ない、特別支援学校の高等部
特別支援学校に通うと、一般の高校のような、問題はありません。
「通学の問題」
通学の支援・サポートが充実しており、スクールバスで通える学校もあります。
「学校設備の問題」
バリアフリー対応の校舎で、授業が受けやすい工夫をしてくれます。
「人間関係の問題」
先生たちの数も多く、配慮も行き届いており、生徒同士の人間関係にも、先生たちの目が届きます。
ただし、特別支援学校の高等部では、「学習レベルの問題」という大きな問題があります。
「もっとレベルの高い勉強をしたい。」そんな子は、支援学校では満足できません。
学力レベルの問題、特別支援学校の高等部
特別支援学校では、学力レベルに応じた学校が選べない。
身体障害者の学力レベルは、人によって全然違います。
「国立大学を目指す学力レベルの子」
もっと学習レベルを上げて、進学校並みの授業を受け、大学へ進学したい。
「単純作業の就職を目的とする子」
レベルの高い勉強はいらないので、就職できるために、単純作業などを身に付けたい。
知的障害児向けの支援学校の高等部は、学力レベルの格差の問題は起こりません。
全員に知的な障害があるので、進学校並みの勉強なんて、ありえないからです。
ただ単に、身体障害があるという共通点だけで、学力レベルが全然違う生徒が通うのが、身体障害者向けの特別支援学校の高等部なのです。
「自分の学力レベルにあった、高校に通いたい。」
そう考える身体障害児は多くいますが、妥協せざるを得ないのが現実です。
中学校までの支援学校では、学力レベル問題にならない。
特別支援学校の、学力レベルの格差は、中学校までにも存在します。
一般の公立の小学校や中学校では、同じ地域に住む子供達が、同じ学校に通います。
当然、学力レベルは、子供によって大きく違います。
特別支援学校の中学校に限らず、一般の公立中学校でも、学力レベルの格差は、同じような状態です。
しかし、一般の子供達は、学力レベルによって高校を選び、自分にあった高校へ進学します。
自分と同じ学力レベルの子と、切磋琢磨し、将来に向けて勉強を始めるのが高校生の時期です。
自分にあった高校が選べる、通信制高校
身体障害者に大きなメリットがある通信制高校でも、デメリットもあります。
「自分の学力レベルにあった、高校に通いたい。」
通信制高校なら、この悩みが解決できます。
通学の負担がないので、身体障害者でも、自分にあった高校を選べます。
今は、全国どこからでも入学が可能な、「広域」通信制高校の数が増えています。
NHKが設立した通信制高校の、NHK学園高等学校。
学び方を選べ、学費も安い、鹿島学園高等学校。
インターネットが普及し、学習方法が増えたおかげで、
身体障害者にも、いろんな選択肢が増えています。
しかし、通信制高校には、「人との関わりがない」「自己管理が難しい」などのデメリットも当然あります。
通信制高校には、どんな学校があるのか、制度はどうなっているのか、学費はいくらかなど、資料取りよせて、じっくり検討してみましょう。
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