聴覚・平衡機能の障害の身体障害者手帳認定要領

      2017/07/28

身体障害者手帳は、障害程度等級表や認定基準によって、認定の手続きが行われます。
具体的な診断書の作成方法などは、この認定要領によって、手続きが行われます。

身体障害者手帳認定要領、聴覚・平衡機能の障害

1 診断書の作成について

(1)「総括表」について

ア 「障害名」について
「聴覚障害」「平衡機能障害」の別を記載します。「聴覚障害」の場合には「内耳性難聴」「後迷路性難聴」「中枢性難聴」等の別がわかれば付加記載するのが望ましいです。また語音明瞭度を用いた診断には「語音明瞭度著障」等と付加記載します。「平衡機能障害」については、「末梢性平衡失調」「中枢性平衡失調」「小脳性平衡失調」等、部位別に付加記載するのが望ましいです。
「ろうあ」で聴覚障害及び言語障害で1級を診断する場合には「聴覚障害及びそれに伴う言語障害」と記載します。

イ 「原因となった疾病・外傷名」について
障害をきたすに至った病名、症状名をできるだけ記載するのが望ましいです。例えば、「先天性風疹症候群」「先天性難聴」「遺伝性難聴」「ストレプトマイシンによる難聴」「老人性難聴」「慢性化膿性中耳炎」「音響外傷」「髄膜炎」「メニエール病」「小脳出血」等です。また原因が不明の場合には「原因不明」と記載します。

ウ 「疾病・外傷発生年月日」について
発生年月日が不明の場合には、その疾病で最初に医療機関を受診した年月日を記載します。月、日について不明の場合には、年の段階にとどめることとし、年が不明確な場合には、○○年頃と記載します。

エ 「参考となる経過・現症」について
後欄の状況、及び所見欄では表現できない障害の具体的状況、検査所見等を記載すべきです。例えば先天性難聴では「言語の獲得状況はどうか」等であり、後天性難聴では「日常会話の困難の程度」「補聴器装用の有無、及び時期はいつか」「手術等の治療の経過はどうか」等、障害を裏付ける具体的状況を記載します。また十分な聴力検査のできない乳幼児においては、聴性脳幹反応、蝸電図等の他覚的聴覚検査の結果も記載するのが望ましいです。
平衡機能障害についても「介助なしでは立つことができない」「介助なしでは歩行が困難である」等、具体的状況を記載するのが望ましいです。

オ 「総合所見」について
「参考となる経過・現症」又は個別の所見欄に書かれた現症の事項により、総合的な所見を記載します。将来障害が進行する可能性のあるもの、手術等により障害程度に変化が予測されるもの、また確定的な検査の望めない乳幼児の診断は将来再認定の必要性を有とし、その時期を記載します。

(2)「1「聴覚障害」の状態及び所見」について

幼児でレシーバによる左右別の聴力測定が不可能で、幼児聴力検査で両耳聴による聴力を測定した場合は、その旨を記載します。
鼓膜の状態の記載は、具体的に記載します。例えば混濁、石灰化、穿孔等あれば、その形状も含めて記載する。また耳漏の有無も記載するのが望ましいです。
聴力図には気導域値のみではなく、骨導域値も記載します。
語音による検査の場合、両耳による普通話声の最良の語音明瞭度を測定するのであるから、必ず両側の語音明瞭度を測定し記載します。

(3)「2「平衡機能障害」の状態及び所見」について

該当する等級に沿った状況、所見を具体的に記載します。例えば「閉眼にて起立不能である」「開眼で直線を歩行中10m以内に転倒する」「閉眼で直線を歩行中10m以内に著しくよろめき歩行を中断する」等です。また四肢体幹に器質的異常のない旨、併記するのが望ましいです。眼振等の他の平衡機能検査結果も本欄又は「参考となる経過・現症」欄に記載するのが望ましいです。

(4)「3「音声・言語機能障害」の状態及び所見」について

「ろうあ」で1級を診断する場合、ここに「あ」の状況を記載します。ただ単に「言語機能の喪失」と記載するだけでなく、日常のコミュニケーションの状況、例えば「両親、兄弟とも、意思の伝達には筆談を必要とする」等と具体的に記載します。

2 障害程度の認定について

(1) 聴覚障害の認定は大部分は会話音域の平均聴力レベルをもとに行うので、聴力図、鼓膜所見等により、その聴力レベルが妥当性のあるものであるかを十分検討する必要があります。
聴力図に記載された聴力レベルと平均聴力レベルが合わないような場合、感音性難聴と記してあるにもかかわらず、聴力図では伝音性難聴となっているような場合等は、診断書を作成した指定医に照会し、再検討するような慎重な取扱いが必要です。

(2) 乳幼児の聴覚障害の認定には慎重であるべきです。乳幼児の聴力検査はかなりの熟練が必要であり、それに伴い検査の信頼度も異なってくるので、その診断書を作成した指定医ないしはその所属する施設の乳幼児聴力検査の経験を考慮し、かつ他覚的聴力検査法の結果等、他に参考となる所見を総合して判断し、必要があれば診断書を作成した指定医に照会するなどの処置が必要です。

(3) 伝音性難聴の加味された聴覚障害の認定に当たっては、中耳等に急性の炎症がないかどうかを鼓膜所見より判断する必要があります。特に耳漏等が認められる鼓膜所見では、その時点では認定をすべきではないので、その旨診断書を作成した指定医に通知するのが望ましいです。

(4) 慢性化膿性中耳炎等、手術によって聴力改善が期待できるような聴覚障害の認定に当たっては、それまでの手術等の治療、経過、年齢等を考慮して、慎重に取扱い、場合によっては再認定の指導をするべきです。

(5) 「ろうあ」を重複する障害として1級に認定する場合、「あ」の状態を具体的にする必要があり、「あ」の状態の記載、例えば「音声言語をもって家族とも意思を通ずることは不可能であり、身振り、筆談をもってすることが必要である」等の記載がないときは、診断書を作成した指定医に照会する等の対処が必要です。

(6) 語音明瞭度による聴覚障害の認定に当たっては、年齢、経過、現症、他の検査成績等により、慎重に考慮し、場合によっては診断書を作成した指定医に照会する等の配慮が必要です。

(7) 聴覚距離測定による聴覚障害の認定は、なんらかの理由で純音聴力検査ができない場合に適応されるものであり、その理由が明確にされている必要があります。経過、現症欄等を参考として、慎重に対処する必要があります。

(8) 平衡機能障害の認定に当たっては、「平衡機能の極めて著しい障害」「平衡機能の著しい障害」のみでは不十分であり、その具体的状況の記載が必要です。また現疾患、発症時期等により状況がかなり違ってくるので、その取扱いには慎重を要し、場合によっては診断書を作成した指定医に照会する等の対処が必要です。

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